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Jリーグ 6年前

今年のマリノスは強いのか? 攻守に光る新両SBの貢献、「ゴール期待値」も急上昇

text by 舩木渉 photo by Getty Images

攻撃を司る両サイドのトライアングル

 例えば右サイドであればトライアングルでパスを回しながら、逆サイドから流れてきた天野純の飛び出しを促した34分のシーンが象徴的だ。少ないタッチで動きながらパスを回すことによって相手ディフェンスは広瀬や仲川、三好の動きに釣られてしまい、“4人目の動き”で斜めに走り込んできた天野を捕まえきれなかった。

 こうした次にどこにスペースができるかを認知する能力はチーム全体で飛躍的に向上しており、「こうしたら、あの選手を引き出せて、次はあそこが空くから、そこに誰が走って、どうやってパスを出す」というところまで連係の中で論理的に予測できているように見える。頭をフル回転させて連続させた思考の結末が、天野の突破。最終的に三好の逆転ゴールにつながった。

 アンカーとして全体を俯瞰しながら中盤を支えていた喜田は各々の判断力の向上が連係のスムーズさにつながっていることを実感している。

「状況を判断するということを本当に大事にしているので、『こういう時はこう』という絶対的な形があるわけではないです。『ここにスペースがあるから誰かが行こうよ』という形なので、決まり事というよりは各々の状況判断ですね。

(三好)康児もそうだし、(天野)純くんも、途中から入ってきた(大津)祐樹くんなんかもそうですけど、インテリジェンスがあるので、どこが空いているか、どこを使えば有効かというところは、今日に関しては共有できていた部分があったと思う。

そこに自分も配球できるようにはしていましたし、短い縦パスも何本かつけたり、出し入れしたりというところで、ある程度コントロールはしようとは思っていたので、全部が急ぎすぎないようにというのと、やっぱり強度の高いサッカーをしているので、そこらへんのコントロールは自分だったり中盤の選手がしていきたいなとは思っています」

 そして、広瀬と高野の両サイドバックは守備での貢献も光った。たった1試合なので鵜呑みにすることはできないが、ガンバ戦はベンチに座った松原健や、浦和レッズへ移籍した山中亮輔が昨季残した以上のデータが弾き出されている。

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