香川真司が語るベシクタシュの「課題」
「後半に関しては特に、インテンシティも足りなかったですし、相手の方がセカンドボールを拾っていて、僕たちは拾えていなくて。もちろん一生懸命頑張っているけど、もうちょっとやっぱり考え方、違う視点で見たらポジショニング含め修正したら、もっと僕たちは楽に戦えなきゃいけないし、楽に戦えたはずなので。
まあでも、この3試合そういうものは非常に感じていたんでね、それが非常にこういうダービーで出てしまったなと。これがある意味、トルコのリーグのスタイルじゃないかな、っていうのは感じますけど」
チーム戦術がしっかりとしたブンデスリーガで長年プレーしてきたからこそ、「トルコのリーグのスタイル」に、緩さを感じてしまうところがあるのだろう。
さらに勝てたはずのダービーをドローに終えてしまったからこそ感じる、もどかしさ。違和を感じることのできる異邦人として、目の前の「課題」を放っておくつもりはない。
「根本的に走ることであったり、チームとしてどう戦っていくのかっていうのが、課題ははっきりしていると思うので、そういう細かい修正をね、ポジショニングも含めて、やっていきたいなあと。簡単ではないですけど、ただ、やらないと勝ち続けることはできないので、自分が思っていることをしっかりと、練習からやっていく必要はあるかなあと思っています」
もちろん、ある国のスタイルそのものを変えることは「簡単ではない」。香川は「割り切るところは割り切らないといけない」と言う。また、ブンデスリーガに比べてスペースが生まれやすい状況は、香川のようなタイプの選手にとっては恩恵となる。
だが、毎試合の勝利を追い求めるのならば、やはり「課題」を見過ごすことはできない。長年ドルトムントでプレーしてきたからこそ、ベシクタシュに持ち込めるものが、香川の中にはあるはずだ。
(取材・文:本田千尋【ベシクタシュ】)
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