タイのメッシではなく、もう1人のイニエスタ
チャナティップ・ソングラシンは、母国タイでは「メッシ・ジェイ」の愛称で知られている。アルゼンチンのスーパースターにプレースタイルが似ていることによるものだ。
この小柄なプレーメーカーが、2017シーズンの半ばにJリーグにやって来て以来、大きなインパクトを残してきたことは間違いない。その敏捷な足とディフェンスを切り裂くパスでファンを増やしていき、北海コンサドーレ札幌の上位進出に貢献。あと一歩でACL出場にも手が届くところだった。
だが彼のチームを率いるミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、先日行われたJリーグのキックオフカンファレンスにおいてチャナティップについての質問を受けると、メッシではなくバルセロナの別のレジェンド選手との比較を口にしていた。
「私としては、Jリーグには二人のイニエスタがいると思う」。特徴的なまばたきを見せながら彼はそう話してくれた。
「一人目はもちろんイニエスタだが、二人目はチャナだ。彼には同じような存在感があると私は思っている」
ある種の饒舌なタイプとして知られるペトロヴィッチ監督だが、それにしても彼が背番号18についての称賛の言葉を次々と発していたことは、彼がこのタイのスター選手をどれほど評価しているかをよく表していた。
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