攻撃サッカーにシフト
昨季は前半戦に7連敗を経験するなど、勝ち星から見放されて残留争いを戦った。夏にはフェルナンド・トーレスが加入するも、ゴール量産とはならなかった。チームは結果が出ぬまま低空飛行を続け、第29節の後にマッシモ・フィッカデンティ監督体制が終焉。そして、金明輝コーチが指揮を執るとチーム状況も好転し、5試合を3勝2分と勝ち越しに成功した。
J1残留という結果は得たが、課題も残った。トーレスを筆頭に金崎夢生や豊田陽平、東京五輪世代の田川亨介などを擁しながら、総得点『29』に終わった。自慢のFW陣を活かす形がなかったといえた。
迎えた今季、鳥栖はルイス・カレーラス・フェレール監督を招聘。堅守が持ち味だったフィッカデンティ元監督時代とは異なり、ボールを保持しながらゴールを目指すサッカーにシフトする様子。攻撃陣にはフアン・イサック・クエンカ・ロペスが加わり、負傷離脱していたビクトル・イバルボも戻ってくる。陣容だけ見ればゴールの山が築けそうだ。
とはいえ、新たなスタイルを習得するには時間が必要なはずで、それまでにどれだけ粘り強く勝ち点を稼げるかが重要になるのではないか。しかし、守護神で日本代表の一員でもある権田修一が海外移籍した。また、ジョアン・オマリも期限付き移籍期間満了のため退団している。サイドバックの吉田豊が抜けた穴も小さくはないだろう。
新たなGK候補は大久保択生が筆頭だが、J1で年間通して戦った経験がないのが気がかりだ。最終ラインはニノ・ガロヴィッチ、カルロ・ブルシッチが加入。共にクロアチア出身のプレーヤーで、言葉の壁がある中でいち早く日本に順応し、チームに貢献したいところだ。