今季はさらに成長した姿を

　昨季の前半戦は破竹の勢いで白星を重ね、開幕から9試合で8勝1分と快進撃を見せた。しかし、ロシアワールドカップによる中断が明けると相手の研究も進み、6連敗も経験するなど勝利から見放された。

　最終的に2位でフィニッシュし、AFCチャンピオンズリーグ（ACL）出場権を確保したとはいえ、後半戦の失速は前半戦の勢いをかき消すインパクトがあった。エースストライカーのパトリックが封じられると、チームは攻め手を失っている。今季は相手の対策を上回ることが求められる。

　19年の広島は［3-4-2-1］システムがベースになりそうだ。昨季は圧倒的なハードワークとパトリックが大きな武器だったが、戦い方にも変化が見られるだろう。新加入組ではエミル・サロモンソンが目玉か。AFCチャンピオンズリーグ・プレーオフでは運動量や切り替えの早さで違いを示しており、状態は良好。かつて広島でプレーしたミキッチのように右サイドで存在感を放つのではないか。

　松本泰志や森島司といった若手も成長してきており、チームの底上げに繋がっている。ベテランの青山敏弘もコンディションが整えば、今季も軸として活躍するはず。もちろんパトリックも健在で、新加入のドウグラス・ヴィエイラとのポジション争いが注目される。

　手応えと悔しさを得た昨季を経て、今季はさらに成長した姿を見せたいところだ。