2ndレグで指揮官の修正力が光るか
ディバラを封じられたユベントスは、中盤のミラレム・ピャニッチやロドリゴ・ベンタンクールといった選手が果敢に顔を出し、前線へパスを送ろうと試みるが、パルティやロドリらのプレスに苦しみ、不用意にボールをロスト。がら空きとなった中盤は簡単に突破され、グリーズマンやD・コスタにカウンターから決定機を作られた。
良い形でパスが回ってこないロナウドはボールを受けようとついに下がってきてしまった。これは前述した通り、ユベントスにとって本意ではない。ゴールから遠ざかったロナウドは次第にシュートが放てなくなり、マンジュキッチは前線で孤立。これまで猛威を振るっていたユベントスの攻撃陣がここまで停滞したのも、珍しいかもしれない。
ディバラを消すというアトレティコの判断は正解だった。背番号10を封じたことでユベントス全体のバランスが崩れたからだ。現地時間15日に行われたセリエA第24節の対フロジノーネ戦でアトレティコ戦と同じ右ウィングとして出場し、大活躍を見せたディバラ。ようやく彼とマンジュキッチやロナウドが噛み合ったようにも思えたが、今回の試合を受け、また一つそうした部分は課題となりそうだ。
悲願のCL制覇を狙うユベントスだが、その航海は想像以上に難しいものとなった。アウェイとはいえ0-2の敗戦はダメージが大きい。ロナウドを獲得してCL・ベスト16敗退となってしまえば、少なからず批判の声は挙がるだろう。
とはいえまだ終わったわけではない。昨季のCL・準々決勝の対レアル・マドリー戦ではホームで0-3という完敗を喫したが、アウェイで一時3-0(その後失点し敗退となった)とするなど、逆境を跳ね返すだけの力はあるはず。
マッシミリアーノ・アッレグリ監督の修正力はピカイチのものがあり、2ndレグの戦い方には注目が集まる。クラブにとっても、CL制覇の夢がこんなにも早く絶たれてしまうのだけはなんとしても避けたい。
(文:小澤祐作)
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