指揮官が寄せるディ・マリアへの期待
今季ディ・マリアは、MCN(エムバペ、カバーニ、ネイマール)にプラスした4人目の攻撃手として主力としてプレーしている。
MCNの3人に注目が集まりがちな中、トゥヘルはことあるごとに「ディ・マリアを加えた4人だ。彼の存在はとても貴重」と繰り返している。ネイマールとカバーニが不在というこのピンチに、指揮官からの信頼に応えた、そんな感じのパフォーマンスだった。
また、今季3トップの後列で起用されることが多いディ・マリアは、中へ絞って守備に加勢する意識も高くなっている。この試合でもそれが生きていた。
ネイマール不在で先発抜擢のユリアン・ドラクスラーは、前日の会見で「自分はネイマールとは違う。僕は自分にできるプレーをやるよ」と話していたとおり、絶妙なタイミングで守備のヘルプに入ったり、流れの中継となれる彼ならではのプレーでチームに尽力していた。
とくに守備での貢献度は、ネイマール以上のものがあるから、文字通りの怪我の功名とでも言おうか、その部分ではプラスになっていた感もある。
そして、大エースを仰せつかったエムバペは、1点目の起点となったCKをゲット、そして2点目は期待どおりの超高速ランから鮮やかなシュートを仕留めて2得点に絡んでみせた。
敵将オーレ・グンナー・スールシャールも「あの走りはなかなか止められない…」と脱帽した走力は確かにすごい。しかしさらにすごいのは、ゴールに迫った後できっちりシュートを決められる、その得点力だ。
ゴール前でGKと一対一になるとふかしてしまう、という残念なシーンは山のようにある。期待感と緊張で力んでしまうのだろうが、20歳になったばかりというあの若さにして、エムバペは相当な自信と強気で狙ってくる。そしてこの11人が、この試合では見事にチームとして融合していた。