マンU撃破でトゥヘルの評価は上昇
12日、チャンピオンズリーグ(CL)・ベスト16の1stレグで、パリ・サンジェルマン(PSG)はマンチェスター・ユナイテッドを『シアター・オブ・ドリームス』とも称される彼らの本拠地オールド・トラッフォードで2-0で破った。このスタジアムでフランスのクラブがユナイテッドを破ったのは、PSGが初めてだという。
1月下旬に右足を負傷して10週間離脱と診断されたネイマール、そしてユナイテッド戦の3日前に行われたリーグのボルドー戦でエディンソン・カバーニも臀部の筋肉を痛め、攻撃の2大柱を失った状態で臨んだPSGだったが、2-0というスコアのみならず、質の高いチームプレーで相手をねじ伏せたことで、トーマス・トゥヘル監督の評価は、これまで以上に上昇している。
試合に勝つために必要な2大要素、戦術とメンタル。この両方を、この対戦に向けてトゥヘルは見事に整えた。
この試合でPSGは、4-4-2が3-4-3に変化する布陣を採用していたが、トゥヘルがよく話しているように、試合は動くものであってシステムはそれほど重要ではない。それよりも、各ポジションで一人ひとりの選手が、与えられた使命をまっとうできていたことがポイントだ。
ゴールキーパーに起用したのはジャンルイジ・ブッフォン。この大会では、出場停止処分中だったグループリーグの初戦3試合を除き、欧州カップ戦経験が豊富なこのベテランをトゥヘルは採用している。
このユナイテッド戦ではとくに、エース不在で揺らいでいたチームを、最終ラインでどっしりと支えるのに最適な人物だった。ビッグマッチは百戦錬磨のこの大ベテランが後ろに控えている安心感は計り知れなかったことだろうが、精神面だけでなく、開始早々、マーカス・ラッシュフォードのシュートをクリアするなど、セービングの面でもブッフォンはきっちりチームを守った。