「素晴らしい選手としてまず思い浮かぶのはサロモンソンのこと」
ここ2シーズンはヨーテボリが不振に陥っていることもあって以前のような輝きを放つことはできなかったが、スウェーデンリーグを代表するサイドバックであったことには間違いない。それは、スウェーデン屈指のクラブに8年在籍して公式戦294試合に出場したという記録が示している。
ちなみに、昨季はヨーテボリが3-4-3を採用したこともあったため、「キャリアで初めて」という右ウイングバックを経験した。
以上、サロモンソンのこれまでのキャリアを振り返ってきたが、ここで彼の内面にも触れておきたい。先述した病気のエピソードからも分かるように、ピッチの外でも魅力的な存在のようだ。
筆者は、スウェーデンの総合スポーツサイト『Svenskafans』のライターであるフィリップ・セムレル氏にコンタクトを取った。これまで何度もサロモンソンにインタビューを実施してきた同氏は、こう語っている。
「ヨーテボリとそのサポーターにとって、サロモンソンはサッカー選手という枠を超えた存在だ。クラブで長年レギュラーとしてプレーしてきた経験豊富な選手である彼は、新加入の選手と積極的にコミュニケーションを図ろうとし、全員がピッチ内外で自分の居場所を見つけられるようにしていた。
チームが試合で良い結果を残せなかった時は必ずサポーターの元に向かい、応援してくれたことに感謝し、そして試合で何がうまくいかなかったのかを説明しようとしていた。彼のことを悪く言うサポーターはいない。私自身、これまでずっとヨーテボリのことを応援しているが、素晴らしい選手としてまず思い浮かぶのはサロモンソンのこと。自分の子供に話して聞かせてあげたい、そんなプレーヤーだ」
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