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セリエA 6年前

ユベントスの“宝石”が再生。圧巻のパウロ・ディバラ、背番号10がチームにもたらすものとは

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

冴えていた背番号10の動き

ユベントス
ロナウドとディバラの連係が冴えた試合でもあった【写真:Getty Images】

 その後も、ディバラの動きは非常に冴えていた。中盤に降りてきてボールに触れば、軽快なボールコントロールで相手のチェックを交わしてボールを前に推進させる。パスは常にワンタッチで、しかも必ず縦に繋げる。細かいフェイントも織り交ぜ、プレスをかけようとしてきた相手を翻弄していた。

 17分の2点目では、CKで追加点に絡んだ。右CKから鋭い左足のキックをゴール前に入れ、ここから多くの選手が絡んで得点を生み出した。中央に正確に飛んだボールをロナウドが高い打点で落とし、サミ・ケディラが触り、ファーに流れたところをマンジュキッチがダイビングヘッドで合わせる。フロジノーネのGKマルコ・スポルティエッロが奇跡的なセーブで凌ぐが、そのこぼれ球にはレオナルド・ボヌッチが詰めてゴールとなった。

 ユベントスは安定。MFカミッロ・チャーノの直接FK以外は、チャンスらしいチャンスをフロジノーネに作らせず試合を支配。そして63分には、チームとしてほぼ完璧に連係を機能させてゴールを奪った。

 右サイドバックのジョアン・カンセロがボールを持つと、ロナウドにディバラ、マンジュキッチの3人に加え、中盤からロドリゴ・ベンタンクールが前線にアタックを掛ける。右サイドの深い位置から縦にボールが入ると、ベンタンクールが触ってボールがマンジュキッチに。右サイド大きくに開いてゴールには遠かったが、正確な折り返しを中央に出すという仕事を完璧に行う。そしてこれを、ロナウドがダイレクトで合わせた。

 この時には、ディバラそのものは得点のアクションに関わっていない。だが注目すべきは、自分がポジションを入れ替えて前線に飛び出した時には、DFの裏を狙い、相手DFの一人を引きずっている。3人を引きつけた右サイドと合わせ、相手のDFラインを横に引っ張った結果、ロナウドがシュートを打てるエリアができたのである。

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