期待感を抱かせたディバラの活躍
前節のサッスオーロ戦。ゴールを決めたクリスティアーノ・ロナウドは、ジャンプしたのちに仁王立ちするおなじみのゴールパフォーマンスに、右手でマスク姿を作るジェスチャーを混ぜた。チームメイトの10番、パウロ・ディバラがよくやるものだ。
今シーズンは結果が出せず、スタメン落ちすることも多くなったユーベの“宝石”。その彼を気遣ってやったものだといわれているが、その再生は課題と言われていた。ロナウドとマリオ・マンジュキッチが早くから連係を築くことに成功した一方、ディバラは若干取り残されている感があった。
だがチャンピオンズリーグ(CL)、アトレティコ・マドリー戦を控え、彼もまた再ブレイクのきっかけとなるような活躍を披露した。15日のフロジノーネ戦では2得点に絡むとともに、多くのチャンスを演出。ロナウドやマンジュキッチとの連動も非常にスムーズで、今後に大きな期待を抱かせるパフォーマンスを演じた。
まずは6分の先制ゴール。右サイドから仕掛けたロナウドが、シュートフェイントをおり混ぜてマーカーを剥がし、横パスを出す。これをペナルティエリア手前で受けたディバラは、ほとんど助走を入れずに左足を振った。ひざ下の振りが非常に鋭いキックでボールを確実に捉え、ゴール右上隅に強烈なミドルシュートを突き刺した。
今シーズンはロナウドが加入した関係で、昨シーズンよりプレーエリアを一列後ろに下げざるを得なくなっていたディバラ。その状態で、ゴールを捉えたことは一つの好材料である。
もともとミドルシュートの正確性には定評がある。他の選手との共存を考え、一列下に落とし込んだマッシミリアーノ・アッレグリ監督にとっては、してやったりのゴールシーンだったことだろう。