ケイン、アリ不在でも生きるのは?
ソン・フンミンはこれで公式戦4試合連続ゴールとなったわけだが、ケイン、アリらが不在の中でなぜここまで輝くことができるのだろうか。その立役者になっているのは紛れもなくクリスティアン・エリクセンだ。
トッテナムの司令塔である同選手は、この試合でパス成功率86%、決定的なパスの本数は驚異の4本となっており、全体のトップに堂々と躍り出た。
ソン・フンミンの先制ゴールの場面でも、起点となっていたのはエリクセンだ。高い位置でボールを奪ったあとのダイレクトパスは、かなり効果的だった。
ソン・フンミンもエリクセンに対してはかなりの信頼を置いているようで、実際試合の中でも背番号23がボールを持った途端に相手の背後のスペースへ走り出すなどの動きを何度か見せていた。これはエリクセンからパスが来るという可能性を信じてのものであることは間違いない。
一方のエリクセンもビルドアップする際、すぐにソン・フンミンの下へパスを送り出すといった場面も多かった。この二人の関係性は、ケインやアリを欠く現在のトッテナムの生命線になっていることは確かだ。
トッテナムはこの試合を終え、次は23日のバーンリー戦となる。マウリシオ・ポチェッティーノ監督はこの期間で選手に休養を与えるようで、とくにソン・フンミンはようやく疲れを癒すことができるだろう。
また、ケインも回復具合が順調であれば、今月中にも復帰する見込み。そうなれば、ソン・フンミンは今以上に輝くことになるかもしれない。
(文:小澤祐作)
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