先制後の試合運びでPSGが優勢に
PSGに対し守備では奮闘していたが、攻撃面では今一つ完成形を見せられずにいたマンチェスター・U。しかし前半は0-0で終えることができたが、45分間のうちにリンガードとアントニー・マルシャルが負傷。交代枠を2枚使わざるを得なかったのは、最大の誤算だった。
そして後半に入ると、試合は一気に動き出す。53分、ディ・マリアの蹴ったコーナーキックをプレスネル・キンペンベに合わせられ、マンチェスター・Uは先制ゴールを奪われてしまった。
アウェイゴールを与えてしまったホームチームはもちろん、1点を奪いに行くべく意識を前へ向かせた。しかし、これはトゥヘル監督にとって最高のシチュエーションだった。
PSGは、ドラクスラー、エムバペが中央で2トップになるような形を作り出す。本来であれば、ドラクスラーにはネマニャ・マティッチが、エムバペには2CBのどちらかがマークにつき、数的優位な状況を作り出すことが得策だが、意識が前へ向いているマティッチと2CBの間でマークの確認が遅れる場面がしばしば見受けられた。
マティッチの両脇、あるいは背後でボールを持たれてしまった場合、2CBの一枚はボールホルダーに対しプレスを与えにいかなければならない。仮にそれがドラクスラーだった時、エムバペに対応できるのはCB一枚のみだ。
驚異のスピードを持つ背番号7に対し、1対1で守るのはかなり危険。それでもマンチェスター・Uは、対応することが難しくなっていた。実際、前半は存在感を失っていたエムバペは後半に入り、スピード力を生かせる場面が多くなってきていた。
そして60分にはサイドでディ・マリアに起点を作られクロスを上げられると、最後はペナルティエリア内でエムバペに押し込まれ2失点目を喫してしまった。意識が前へと向いていたマンチェスター・Uに対し、トゥヘル監督が得意とする縦に速いサッカーを展開したPSGの完璧な試合運びが、後半に入り結果を出した形だ。