4位と5位の直接対決
息の詰まる、来季のチャンピオンスリーグ(CL)出場権をめぐる攻防だった。ピッチ上の至る所で繰り広げられた肉弾戦=ツバイ・カンプフ。誰もが球際で戦った。
試合後、長谷部誠は振り返った。
「今日は、みんなも戦っていたと思う」
2月9日、風の中に微かな春の匂いがするレッドブル・アレナ――。
ブンデスリーガ第21節。アイントラハト・フランクフルトはアウェイでRBライプツィヒと戦った。戦前の順位表の状況は、勝ち点37で4位のライプツィヒに対して、フランクフルトは勝ち点32で5位。4位と5位の直接対決である。フランクフルトとすれば、シーズンの最後に来季CL出場権を確保するためには、ここで引き離されるわけにはいかない。
前半、フランクフルトの選手たちは、主にロングボールを使用。シンプルに前線の3枚=セバスチャン・アレル、ルカ・ヨビッチ、アンテ・レビッチを目掛けてボールを蹴った。長谷部がその意図を解説する。
「相手がプレッシャーを掛けてくるし、ウチが中盤などで繋ごうとすると、そこを狙ってボールを奪って速い攻撃…っていうのがライプツィヒの特徴なので、そういう部分では、出来るだけね、そこをあまり使わずに相手の嫌がる所、裏にロングボールを蹴って…というようなことを考えてプレーしました」
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