セットプレーにおいても重要な存在
この間ユーベの味方選手は、各々がスクリーンをかけてサッスオーロの選手のマークを外そうと動いている。このようにしてロナウドをフリーにし点を決めさせるサインプレーがあらかじめ仕込まれていたのかもしれないが、ロナウドの身体能力を考慮にデザインしなければ成立しないプレーだろう。彼の存在は、セットプレーでも重要なものとなっていることが示された。
そして試合終了間際には、駄目押しの3点目をラストパスでお膳立て。途中出場のパウロ・ディバラのパスを受け、これをワンタッチで左サイドへ。これまた途中出場のエムレ・ジャンが、角度のきついところからシュートを決めきった。
前節のパルマ戦と違い、今回のユベントスは試合中に組織の粗の修正に成功した。最初の劣勢の段階ではブレーズ・マトゥイディが体を張ってボールを奪うとともに、前線に飛び出す動きで攻撃の流れを作っている。
正確なパスで攻撃を演出していたサッスオーロのレジスタ、ステファーノ・センシがあまりに自由とみるや、フェデリコ・ベルナルデスキをマークに付かせて対応。前半ではかなり動きの乱れていたピャニッチも、後半は攻守両面で引き締まったプレーを敢行した。「最初の15分間は苦労したが、その後にはまとまりを取り戻し素晴らしい試合ができた」。マッシミリアーノ・アッレグリ監督はチームに及第点を与えていた。
一度こうした修正がチームとしてハマれば、あとは攻撃の絶対的な支柱が仕事をする。振り返れば、ユーベが調子を落としかけたこの数試合、ロナウドは常に安定して結果も出していた。新天地においても、その存在が大きいものになっていることを改めて思い知らされた。
(取材・文:神尾光臣【イタリア】)
【了】