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セリエA 6年前

勝利を生む絶対的なロナウド。調子落としかけたユベントス、それでも踏みとどまれる理由

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

相手の流れを断ち切るのもロナウド

 まずは23分。先制点の場面では、相手の乱れを見逃さなかった。サッスオーロGKアンドレア・コンシーリが、ユーベの選手のプレスを寄せすぎて後方からのパス出しをミス。ユーベの選手たちがこれに呼応してボールを奪ったのを見るや、ロナウドはサイドから中のスペースへと絞った。

 ビルドアップを掛ける段階でのパスミスで統率の崩れたサッスオーロの選手たちは、ポジションを移したロナウドの動きを捕まえられていない。そこにパスが入り、CR7は強烈なミドルシュートを放つ。これはコンシーリがセーブするものの、弾いたボールはゴール前に詰めていたサミ・ケディラの前に溢れてくる。がら空きとなったゴールにシュートが決まった。

 その後サッスオーロは反撃に転じ、縦パスに対し不用意に飛び出し過ぎたシュチェスニーのミスも絡んで同点となるチャンスも作ってくる。しかし、攻撃の中心となってその流れを切るのもロナウド。サイドに流れて突破を図っては、中央に正確なクロスを放った。テクニカルで攻撃的だが、守備に関してはやや線の細いサッスオーロの両サイドバックに対しては、外に開いて攻撃を仕掛けるとミスマッチが生じる。逆サイドに張るマリオ・マンジュキッチとともに、ロナウドはサイドから攻撃の活路を拓いた。

 そして70分には、サッスオーロの戦意を断ち切る追加点を自ら挙げた。左CKに対してファーの位置、それもゴール前の密集からかなり離れたところにポジションを取る。ゴールエリア内での競り合いから逃れていた彼は、コーナースポットからキックが放たれた瞬間、物凄い瞬発力でエリアに飛び込んだ。瞬間的なスピードにも打点の高さにも、相手選手は誰も反応できない。強烈なヘディングシュートが、ゴール右下に決まった。

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