攻撃の道筋を作ったクリスティアーノ・ロナウド
サッスオーロ戦の最初の15分間、ユベントスはホームでパルマに追いつかれた前節の不調を引きずっていた。
最後尾からの組み立てがままならない。レジスタのミラレム・ピャニッチは厳しいチェックにあってパスが出せない。ダニエレ・ルガーニにマルティン・カセレスのセンターバックがパスを出そうとすると、全てのコースはプレスによって塞がれる。そのうち、寄せられてボールをロスト。一方的に攻められて、15分間で3本のシュートを打たれた。
向こうにボールが渡ったら、奪い返すことも難しい。4-3-3といったシステム上のポジションに選手を固定するのではなく、局面によって敵陣の隙間に選手を柔軟に動かして“陣取り”を行い、細かくパスを回していくサッスオーロのサッカー。最近の試合でルーズな面を晒していたユーベの守備組織は、これを捕まえることができなかった。GKヴォイチェフ・シュチェスニーが好セーブをしていなければ、2点は失ってもおかしくない状況だった。
しかしその劣勢の中で、浮足立たずにミスを犯さないプレイヤーがいた。クリスティアーノ・ロナウドだ。ドリブル突破を図って相手からファウルを誘い、正確なボールコントロールでプレスを交わす。落ち着いたプレーで攻撃の道筋を作った彼は、先制点を演出し、終わってみれば全3得点に絡んだ。
チームも今度は、最近の試合で見せていた組織の脆弱さを時間の経過とともに払拭。そこに大きく貢献したのは、エースとブレない勝負強さと、プレーにおけるインテリジェンスだった。