やはり別格だったアグエロの存在感
だが、本物のMVPは別にいる。何といってもセルヒオ・アグエロだ。
13分に強烈なミドルシュートを叩き込み、その6分後には相手のミスを見逃さず、左足でゴールネットを揺らした。そして56分にはPKを沈めハットトリックを達成。リーグ戦ここ4試合で7ゴールと、その好調ぶりが結果に表れている。
アグエロはこの日もチームトップのシュート数6本を記録しているなど、ゴール前での存在感はやはり別格だった。もちろんシュートの数だけでは表せない貢献度も非常に高かった。
ディフェンスラインとボランチの間にポジショニングし、縦パスを呼び込んでは周りを活かす役割も完遂。イルカイ・ギュンドアンのゴールが生まれたのも、アグエロが一つの起点となっている。
24分、アイメリック・ラポルトからの縦パスを受けたアグエロは左サイドのスターリングにパスを出す。背番号10はそのままペナルティエリア内にわずかに空いていたスペースへ侵入。するとスターリングからパスを受け、チェルシーの守備陣を3人ほど引き付けた。これは結果論になってしまうが、このアグエロの動きがあったからこそギュンドアンのゴールが生まれたのは間違いない。
アグエロは現在、プレミアリーグ全体でトップとなる1試合平均3.7本のシュートを放っており、ここまで計74本ものシュートを放っている。そのうちの17本をゴールに結び付けており、決定率はおよそ23%となっている。
23%という数字はそこまで良いとは言えない。しかし、大事な試合で決定的な仕事をこなすことができるアグエロは、まさに本物のストライカーだ。
プレミアリーグ連覇を狙うシティにおいて、アグエロの存在は不可欠となってくる。今後もこの調子を維持したいところだ。
(文:小澤祐作)
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