衝撃的だったスコア
試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、チェルシーのマウリツィオ・サッリ監督は敵将であるジョゼップ・グアルディオラ監督と握手を交わすことなく、足早にロッカールームへと引き上げた。突きつけられた現実はあまりに厳しいもので、サッリ監督からすれば受け入れ難い光景だったのだろう。
プレミアリーグ第26節、マンチェスター・シティ対チェルシーの一戦は6-0という衝撃的な大差がついたゲームとなった。シュート数は15本:12本とあまり大きな差はなかったが、枠内シュートの数では9本:4本という明らかな違いが出ている。
チェルシーはエデン・アザールを中心とした攻撃で何度か良い形は作ったが、フィニッシュに繋げるまでの時間をかけすぎてしまい、なかなか大きなチャンスを生むことができない。中央に良い形でボールが入っても、ことごとくシティの守備陣にサイドへと追いやられてしまった。
対してシティはスムーズな攻めでチェルシー守備陣を攻略した。細かいパス回しを繰り返しながら、時折ワンタッチパスを入れリズムを変えるなど、多彩な攻撃パターンでビッグチャンスを次々と生み出す。ケビン・デ・ブライネやベルナルド・シルバは流動的にポジションを入れ替えながら相手のディフェンスを混乱させ、ラヒーム・スターリングは抜群のスピードと突破力を生かして左サイドを完全に攻略した。
チェルシーは組み立てのキーマンとなるジョルジーニョが完璧に封じられ、ロス・バークリーも存在感を失った。セサル・アスピリクエタはスターリングの動きに翻弄され、エンゴロ・カンテのプレスもあまり効果的ではなかった。
試合が終わってみれば、6-0というスコアは妥当だったと言うべきだろうか。シティの圧倒的な強さが、ここにきて完全に目を覚ました。