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堅守・アトレティコが崩壊。レアルが示した“若き”力、明暗を分けたポイントはどこに?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

勝敗を分けたポイントは?

 なかでも勝敗の大きな分岐点となったのは、マドリーの左サイド、アトレティコの右サイドでの攻防だ。

 ホームチームはアンヘル・コレアが右サイドハーフとして、サンティアゴ・アリアスが右サイドバックとして先発していた。コレアは、サイドに張り続けるのではなく、中央寄りのポジションを取ったり、ときには最前線のアルバロ・モラタと近い位置でプレーすることもある。アリアスも果敢に攻撃参加し、前線に厚みを加えることができる選手だ。

 アトレティコは、この両者の特長を存分に生かすべく同サイドからの攻撃を果敢に行った。事実、マドリーとの一戦でも右サイドからの攻めはおよそ43%と最も多かった。

 だが、マドリーはそうしたアトレティコの強みを消しながら、攻撃的に出てきて手薄になっているホームチームの右サイドのスペースを有効活用した。

 事実、マドリーはこの日、左サイドを起点とした攻めから2ゴールを奪っており、同エリアからの攻撃はおよそ46%とかなり高い数字が表れている。

 カウンター時にはV・ジュニオールが得意のドリブルを前面に押し出し、度々脅威となった。空いたエリアに蓋をするべく、ホセ・マリア・ヒメネスはサイドにカバーへ回るが、背番号28からすれば1対1を制するのはお手の物。ウルグアイ代表CBをあっさり振り切っては、ゴール前で決定機を何度も生み出した。

 マドリーのPKのシーンはまさにそうした形から生まれたもの。またアウェイチームの3点目もカウンターから生まれたもので、ベイルがフリーとなっていたのはやはり相手の右サイドであった。

 アトレティコからすれば、最後までそのエリアをカバーしきれなかったのが痛かった。そうした部分で後手に回り続けた結果が、1-3という屈辱的な敗戦へと繋がってしまったからだ。

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