マドリーの完璧な勝利
両チーム合わせてイエローカード10枚、レッドカード1枚が提示された「マドリード・ダービー」。伝統の一戦は、良くも悪くも激しい試合展開となり、同時に両者の明暗がハッキリ分かれることになった。
レアル・マドリーは3日前にコパ・デル・レイ準決勝1stレグでバルセロナと対戦したばかり。一方アトレティコ・マドリーは同5回戦ですでに敗退していたため、日程の面では有利な状況にあった。
しかし、試合は疲労の影響をまったく感じさせなかったマドリーに軍配が上がった。アトレティコも決して悪いサッカーをしていたわけではなかったが、この日のマドリーは攻守において完璧と言っていいほどの出来であり、内容で圧倒。1-3というスコアは妥当だった。
16分にカゼミロのゴールで先制したマドリー。その後、アントワーヌ・グリーズマンに同点弾を決められたが、悪い流れを引きずらなかったのが大きかった。42分にはセルヒオ・ラモスがPKを沈め、前半のうちに勝ち越しに成功。後半はアトレティコが攻撃的な選手を次々と送り出し反撃を狙ったが、その勢いに飲み込まれることなく、試合をコントロールした。
74分には途中出場のガレス・ベイルにもゴールが生まれ、3-1に。この時点で勝負は決まっていた。
アトレティコのエースであるグリーズマンにはカゼミロがしっかりチェック。トニ・クロースやルカ・モドリッチといったインサイドハーフの選手も果敢に守備に回った。右ウィングのルーカス・バスケスは相変わらず攻守において奮闘しており、左ウィングのヴィニシウス・ジュニオールは幾度となくカウンターの起点となった。
ピッチに立つ11人全員が90分間集中を切らさず、最後までアトレティコに対し勇敢に立ち向かった。今季は難しいゲームが続いていたマドリーだったが、ここにきて持ち前の強さを存分に発揮したのだ。