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日本代表 6年前

「冨安は今、試合が面白くて仕方ないと思うよ」。王道を行く20歳CBと日本のアジアカップ【宮澤ミシェルの独り言】

シリーズ:宮澤ミシェルの独り言 text by 青木務 photo by Junichi Ebisawa , Getty Images

「日本のCBは向こう10年大丈夫だ、と思わせてくれるのが彼かもしれない」

(アビスパ)福岡でもボランチも後ろもやって、海外に行ってからもいい経験を積んで育ってきている。日本のCBは向こう10年大丈夫だ、と思わせてくれるのが彼になるかもしれない。

 あとはリーダーシップとか色々あるけど、その辺も身につけば鬼に金棒だよ。吉田(麻也)と冨安がいたら世界基準でしょう。海外の相手にも何も引けを取らない。冨安は前だけじゃなくて後ろにも意識を持てるようになっているし、今大会は彼にとって大きかったんじゃないかな。

 ベルギーでやって自信や手応えを掴んでいるんだろうね。もっと凄い奴がいるのもわかっているだろうし。ゲームをやる中で色々なことを学べて面白くてしょうがないんじゃないかな。駆け引きの面、ハードに行くところ、カバーとか。僕もそういう時期があったけど、「俺、負けてないぞ」と思いながらやっているんじゃないかな。誰と戦っても勝てるから楽しいだろうね。ワールドカップを何回も経験している先輩が周りにいるのも大きい。

 福岡時代に井原(正巳)監督の指導を受けたのも良かった。守備ってそんなに簡単にはわからないから。数的不利の時にどうするか、一対一の時にどう対応するかとか、そういうのを彼は日本で経験して井原にも習って、ベルギーでもやっている。ある面、王道を行っているよね。冨安は育つべくしてちゃんと育ってきた。何より試合に使われているのも大きいよ。

 あのポテンシャルはヨーロッパのどのリーグでもプレーできる。高さや強さを備えたCBはいっぱいいるから、冨安のどの特徴が目に留まるかだね。最初はドイツの中堅クラブに行くのか、フランスとかもいいだろうし。あとはビルドアップの時にどれくらい(ジェラール・)ピケになれるか、とかね。ピケよりスピードがある気はするけど。あのフィード力なんかももっと出てくれば、どのクラブでも普通にできる。あとは声がかかるのを待つだけ、という状況になっていくんじゃないかな。

▽語り手:宮澤ミシェル
1963年7月14日、千葉県出身。Jリーグ黎明期をプレーヤーとして戦い、94年には日本代表に選出された経験を持つ。現役引退後は解説者の道を歩み、日本が出場した過去5大会のワールドカップを現地で解説している。様々なメディアで活躍。出演番組にはNHK『Jリーグ中継』『Jリーグタイム』、WOWOW『スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』などがある。

【了】

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