長友を外せば日本代表は人気低迷の危機?
大会中もイランとの対決を「ライオンと虎」に例えたり、カタール戦に向けて「ハイエナ戦法」と自分たちの戦い方を評すなど、とにかく言葉の使い方がうまい。
イランのエースFWサルダル・アズムンを「元ブラジル代表のカカに似ている」と言ったり、サウジアラビアのFWファハド・アルムワラドを「スピードモンスター」、カタールのFWアルモエズ・アリを「チーター」と言うなど、聞く側に具体的なイメージを持たせる術にも長けていた。
そこまでの表現力や話術を持つ人間は今の日本代表には見当たらない。非公開練習が続き、ロクに情報のない中、記事を書かなければならないメディアにとって、彼の存在は大きな拠り所だった。
それだけの発信力のある選手がいなければ、日本代表人気が低下し、露出が減る恐れも否定できない。長友の姿勢を見て、森保監督や他の選手たちもそういう危機感を持ってほしいと感じることは少なくなかった。
もちろんサッカー選手の本業はピッチ上での一挙手一投足であり、勝利につながるパフォーマンスを示せるかどうかだが、それを含めても、長友がいない代表を考えると恐ろしくなった。彼にはピッチ内外で傑出した価値を示し続けてほしいし、代表の歴史と重みを伝え続けてくれることを強く願いたい。
(取材・文:元川悦子【UAE】)
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