これまでとは異なる選手たちのメンタル
タイトルを勝ち取ることができていれば、この世代のさらなる栄光に向けた飛躍の大きなきっかけとなっていた可能性は高いだろう。だが大舞台での敗戦もまたモチベーションとなり得るものだ。成功を味わうことへの強い意欲を持っている選手たちに対してはなおさらであり、このチームはそういった意欲に溢れている。
「日の丸を背負って戦わせてもらっているのはすごく光栄なことだと思いますし、その緊張感を楽しまないと損だと僕は思っているので。この緊張感の中で自分がどれだけできるかっていうのを試しながら、楽しみながらプレーしたいと思います」と、まだ20歳の堂安律はドバイで行われた準々決勝のベトナム戦の前に話していた。
大会が終盤を迎えるにつれて、チーム全体にこのような意欲が強く感じられるようになってきた。原口元気も同様に、最大の舞台を満喫したいという思いを強調していた。
「プレッシャーはある方がいいと思っていますし、そのプレッシャーを楽しむメンタリティであったり経験というのを僕は持っているので。どんどんプレッシャーはかかってほしいし、そのプレッシャーを楽しみながらプレーしたいと思います」
南野拓実も、ピッチ上で不安感とは無縁な様子を見せていた選手の一人だった。レッドブル・ザルツブルク所属のFWは決勝に至るまでの戦いでゴールネットを揺らすことができていなかったにもかかわらず、決して頭を下げることはなく、決勝では日本のゴールを非常に落ち着いて決めてみせた。
イランを3-0で粉砕した準決勝でも大迫勇也の先制点をアシストしていた24歳は、自分の国を代表して戦う責任の重みを恐れるよりも楽しんでいると言い切っていた。
「僕はヨーロッパでプレーしていて、たくさんのビッグゲームをこれまでプレーしてきてますし。日本のために戦うというのは子供の頃からの夢で、そこに対しての怖さっていうのは全くなくて。試合前には楽しみと、やってやるぞっていう気持ちで、そういうモチベーションでした」と南野は語る。