厳しくなってきたアジアの戦い。森保一監督の采配には課題
アジアでの戦いは年々厳しくなっており、それが明確になったのが今大会だった。参加国が24へと増え、目も当てられない試合が続出する懸念もあったが、杞憂に終わった。各国は基礎的な戦術を整備しており、どの試合も簡単には勝てなくなってきた。
実際、日本もトルクメニスタンやオマーンといった明らかに格下のチームに苦戦。しっかりと日本対策を準備してきたチームに勝っていくのは消耗も激しい。もともと怪我人が多かった森保ジャパンにはそこは重くのしかかり、決勝戦では遠藤航が負傷欠場。戦いの幅はかなり狭まってしまった。
もちろん、決勝のカタール戦には反省点が多い。カタールに完璧に対策され、それを上回る「対策の対策」を用意できなかった。試合日程の関係でカタールは日本より準備期間が1日少ない。にもかかわらず、術中にはまり完敗してしまった。
また、明らかに不利な状況が続いているのに、森保一監督は有効な手を打てなかった。早めの交代か、あるいは監督からの指示でフォーメーション変更をしても良かったが、まったく動けず。采配含め、指揮官への課題は出たと言える。
選手たちも状況を変えられなかった。カタール戦ではフォーメーションの噛み合わせが悪く、ギャップが生まれていた。カタールの11番アクラム・アフィフがフリーの状況になっていた。試合後の話では選手たちは早々に気づいていた。だが、動けなかった。
この点で言えば、特に反省すべきは柴崎岳である。
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