敗れたが、堂安律と冨安健洋は大きな経験を積んだ
AFCアジアカップ2019で日本代表は準優勝に終わった。
決勝のカタール戦に完敗したこともあり、様々な批判が出ている。中には手厳しいものもあったが、現場取材に基づいた意見に関しては、それはそれで1つの見方として尊重すべきではある。ただ、すべてが失敗だったわけではなく、全否定するような空気感にだけはしてはいけない。
そもそも、日本におけるアジアカップの位置づけとはどのようなものだろうか。優勝が目標だったのは間違いないが、ノルマではない。森保ジャパンは2020年東京五輪、2022年カタールワールドカップをターゲットにしている。発足から半年と若いチームだ。
優勝した2011年、ベスト16で敗れた2015年にように、ワールドカップ後からベースをあまり変えていないチームとは状況が大きく異なる。もしアジアカップ優勝が「ノルマ」だったなら、香川真司や昌子源らを無理にでも招集し、違った戦い方をしていただろう。
そう考えれば、決勝進出を果たし、7試合の経験を積めたことは非常に大きな財産である。特に若手の堂安律や冨安健洋にとっては今後のキャリアを見据える上で、確実にプラスに働くであろうし、我慢して最後まで使い続けた意味はあるはずだ。
また、日本がボールを多く保持していくサッカーだけでなく、サウジアラビア戦のように徹底した守備的なサッカーでも戦えることを示した。戦術的なバリエーションを考える上でもポジティブな要素が大きい。