序盤は強さを誇示。しかし守備は…
試合開始から60分ぐらいまでは、強さを誇示できていた。堅守からのカウンター狙いという戦術の原則を全選手に徹底させているパルマを前に、ボールを支配して攻撃を続けて先制。中央を固めた相手の守備組織を両サイドをワイドに使った攻撃で広げ、左サイドに流れたロナウドが26分にシュートをねじ込んだ。
そして後半に入り、62分に追加点。レオナルド・スピナッツォーラのシュートのこぼれ玉を、ミラレム・ピャニッチが体を投げ出して奪う。ここから流れたボールを拾ったのは、ロナウドと入れ替えるようにして左に開いていたマリオ・マンジュキッチだった。その足からは柔らかいクロスが放たれ、ロナウドがファーで触ると、こぼれ球にルガーニが反応。豪快にシュートを蹴り込んだ。
普段であれば、相手にペースを譲らずにリードを守るのが彼らの試合運びだ。しかし、ここから3失点を喫した。そこにはボヌッチとキエッリーニの不在が影響していたことは確かに否めないが、それだけが要因ではない。チーム全体としての守備がおかしくなっていたのである。
まずは、65分の1失点目。パルマは下がってボールをキープしたジェルビーニョが右サイドに展開し、外に開いていたユライ・クツカが攻める。しかしその間にプレスが掛からず、クツカもフリーになっている。そしてアーリークロスが上がった先には、アントニオ・バリッラがフリーになっていたのだ。
ルガーニとカセレスは、斜めにニアへ走り込んだ相手FWに寄せてスライドする。だがその時、右サイドバックのカンセロが付いてきていなかった。その空いたスペースを使われたのだ。
その直後にロナウドがマンジュキッチのクロスをヘディングで押し込み、リードを広げる。しかしここから、ユーベの守備は全体でルーズになった。前線にいるFWに縦パスは入り放題、サイドからの展開にも人がついてきていない。そして74分、パルマは右サイドをノープレッシャーでつないだ先に、またもクツカが飛び出す。グラウンダーのクロスに対し、誰よりも早く反応したのはジェルビーニョ。ヒールで合わせてシュートを決めた。