森保監督がこだわり続けたもの
彼は決勝トーナメントに入ってから報道陣に口を閉ざし、集中力を高めてきたが、決勝前日のテレビ取材で「改めてやってやるぞという気持ちになってます」と高ぶる思いを吐露した。
13日のオマーン戦、イラン戦にしてもそうだが、動き出しも抜群だし、ゴールに向かう技術もセンスもピカ一なのに得点という結果だけが伴っていない。それは本当に悔しいだろう。
本田圭佑もかつて「ゴールはケチャップみたいなもの。出ない時は出ないけど、出る時はドバドバ出る」と説得力ある言葉を口にしたことがあった。今の南野も似たような心境なのかもしれない。そのトンネルを抜けるのは本当に今しかない。
南野と堂安という森保ジャパンを象徴する2枚看板が日本を頂点へと導くゴールを奪ってくれれば、日本代表は真の世代交代に向けて大きな一歩を踏み出す。もちろん大迫、原口のロシア組には攻撃陣をけん引する役割を担っているが、若いアタッカーが結果を出してこそ収穫も大きくなる。
もちろん勢いあるカタールは手強いが、イランという高い壁を超えた日本なら圧倒的な強さを見せられるはず。森保一監督が今大会を通してこだわり続けた「前線4人」には、完成度の最も高い連係・連動を具現化し、カタール守備陣の粉砕すること。それを強く求めたい。
(取材・文:元川悦子【UAE】)
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