イランを撃破した連動性。上回る完成度を
前回は大迫勇也が復帰し、前線で冷静にタメを作ったことで堂安律、南野拓実、原口元気が有機的に結びついてチャンスを作り出していたが、バルセロナのアカデミーで指導経験を持つフェリックス・サンチェス監督は分析に長けている知将。単純に同じことを繰り返すだけでは封じ込まれる可能性もゼロではない。
日本としては4人の連係をより研ぎ澄ませ、イラン戦を超える多彩な攻めのバリエーションを構築し、完成形に近づけていくことが肝要だ。
カタールの最終ラインは4バックと3バックを併用しているため、どちらで来るか分からないが、センターバックの一角を占めるブルム・フーヒを筆頭に185㎝近い高さがあり、単純にクロスを放り込んでも跳ね返されてしまう。
しかし、大迫にタテパスを入れて、2列目3枚が流動的に動いてギャップを作るような動きを繰り返せば、必ず穴ができる。そこが1つの狙い目だと言っていい。
実際、イラン戦のゴールシーンを見ても、その重要性が如実に表れている。1点目は南野がDFに倒されたのももろともせずにボールを追いかけ、大迫に絶妙のクロスを入れたことで生まれた。2点目は大迫のパスを受けた南野がペナルティエリア内で切り返したところで相手のハンドを誘い、得たPKを大迫が決めている。
3点目も原口がインターセプトしたボールを柴崎岳→南野とつないで最終的に原口がゴール。つまり、いずれもアタッカー陣が効果的に絡み合って守備の網を破っているのだ。それを参考にしつつ、カタール戦でも日本らしいコンビネーションを見せてくれれば、相手を撃破するゴールはきっと奪えるはずだ。
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