決勝は気力の勝負
青山敏弘(広島)の離脱で、東口順昭(G大阪)とともにチーム最年長となった長友は、闘争心と集中力をもたらす役割を真っ先に遂行していく立場にいる。今大会通して堂安律(フローニンゲン)と冨安健洋(シントトロイデン)の20歳コンビにピッチ内外で帝王学を伝授し続けてきたが、今回はチーム全体に8年前のタフな戦いの経験と歴史を伝えることが強く求められている。
「8年前も韓国と延長を戦って、(決勝は)ホントに気力だけで戦っていましたね。ホントに気力だったなっていう印象が残っています。カタールも日本も間違いなく疲労は溜まっているし、その中で最後に踏ん張れるのはホントに気持ちの部分。気力で勝てるかどうかだと思います」と百戦錬磨の左サイドバックは神妙な面持ちでコメント。そのメンタリティの重要性を自ら率先して示していくつもりだ。
一方で、左サイドバックとしても確固たる仕事を果さなければならない。彼の対面にはカタールのキャプテンマークをつけるハサン・アルハイドス(アル・サッド)というタテへの推進力の高いアタッカーが陣取る。
ただ、アルハイドスはもう1枚のサイドであるアクラム・アフィフ(アル・サッド)と柔軟にポジションを入れ替えながらゴールを狙ってくる。アフィフの方も相当にスピードがあり、29日のUAE戦(アブダビ)で3アシストという華々しい活躍を見せるなど要注意人物なのは間違いない。
彼らと最前線に陣取る今大会8ゴールの点取り屋、アルモエズ・アリ(アル・ドゥハイル)の推進力はまさに脅威。長友も「アリはホントに速い。チーターみたい。しなやかな体で走れるし、シュートもうまい」と警戒心を露わにしていた。その速さ封じが日本勝利への重要ポイントになることを彼らは今一度、肝に銘じるべきだ。