カタールの強さのベースは2つ
森保一監督が率いる日本代表はアジアカップ決勝でカタール代表と対戦する。ここまで6試合で16得点無失点という非の打ち所のない成績をあげているカタールはグループリーグでサウジアラビアに勝利し、決勝トーナメントではイラク、韓国、UAEに勝利してきており、その実力に疑いの余地はない。
もちろんアジア最強の呼び声もあったイランを準決勝で3-0と撃破した日本にも勝機はあるはずだが、そのイランともまた違った強さとやりにくさを持つのがカタールだ。
強さのベースは大きく2つある。1つはクラブチーム並に整備され、精錬された組織力、もう1つはアジア屈指と目されるタレント力だ。その二つが高次元に融合しているのがカタールの最大の強みと言えるだろう。
組織力については周知の通り、カタールは元スペイン代表のシャビなども指導に携わるアスパイア・アカデミーを育成ベースとしており、バルセロナやスペイン流の戦術や技術を教え込んでいる。移民や帰化選手も積極的に招き入れており、オンザピッチはもちろん語学などオフザピッチの素養も全て学ぶことができる。
フェリックス・サンチェス監督も元バルセロナのカンテラの指導者であり、10年近くアスパイア・アカデミーの中枢で働いたのちにU-19、U-20、U-23、A代表と上り詰めて現在に至る。いわば手塩にかけて育ててきた数世代の選手たちをまとめ上げているのであり、選手たちの能力はもちろん性格や癖まで知り尽くしているのは大きな強みだろう。