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「ドロドロになりながら」。宇佐美貴史は泥臭く戦うファイターに。泥にまみれた先に新たな未来

ブンデスリーガ第19節、デュッセルドルフはホームでRBライプツィヒと対戦。これまでバイエルンやドルトムントなど上位勢を相手に勝ち点を得てきたが、この試合は0-4と大敗を喫した。FW宇佐美貴史は試合後、悔しさとともに泥臭く1点を狙う重要性を説いた。これまでは華のあるアタッカーというイメージだったが、そのメンタルは大きく変わり始めている。(取材・文:本田千尋【デュッセルドルフ】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

甘くはなかったブンデスリーガ

宇佐美貴史
デュッセルドルフに所属する宇佐美貴史【写真:Getty Images】

 泥まみれになってでも――。

 昇格組として健闘を続けるフォルトゥナ・デュッセルドルフ。昨年12月にはホームで首位のボルシア・ドルトムントを2-1で撃破するなど、前半戦の最後を3連勝で終えると、1月19日、後半戦の初戦も敵地でFCアウクスブルクに対して粘り強く戦い、勝利を収める。

 第18節を終えた時点でフォルトゥナの順位は14位。降格圏内の16位VfBシュトゥットガルトに7ポイントの差を付けた。このまま行けば、1部残留も夢ではない。

 それから1週間後の27日、第19節。メルクル・シュピール・アレナは、どこか期待に膨らんでいた。赤を基調としたファンたちは、どこか堂々としている。

 迎え撃つのは4位のRBライプツィヒだが、前半戦のアウェイでは1-1のドローに持ち込んだ。そしてドルトムント、ライプツィヒだけでなく、バイエルン・ミュンヘン、TSGホッフェンハイムといったCLクラスのチームに対し、総じて結果を残してきた。だから、4連勝中のフォルトゥナは、今夜もライプツィヒと互角に戦ってくれるのではないか――。

 だが、ブンデスリーガは甘くなかった。

 2分、ライプツィヒに与えた最初のコーナーキック。マルセル・ハルステンベルクが蹴ったボールを、GKミヒャエル・レンジングが取り損ねてしまう。ゴール前で混戦が発生。最後はユスフ・ポウルセンに蹴り込まれ、先制を許してしまう。

 右サイドで先発した宇佐美貴史は、試合後に「やっぱり最初の、あの不用意な失点がすごいダメージだった」と振り返った。

「今までの勝っていた試合は、本当に粘り強くやっていた中で、徐々に徐々に…っていう感じで、本当にファイトして…っていう展開だったんですけど、それが早々に狂ってしまった。あの1点でダメージがチーム全体にどしっと重くのしかかった感は否めないです」

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