一瞬生まれたイラン代表の隙
日本代表が強豪イランに3-0で勝利した。90分を通しての日本のパフォーマンスが賞賛されるが、55分という後半の早い時間帯に日本が先制点を取れたことが流れを一気に引き寄せる結果となった。その先制点を引き寄せたのが南野拓実の切らさないプレーであり、そうした集中力は日本代表を象徴する持ち味でもある。
そのプレーはボランチの柴崎岳を起点に大迫勇也がイランディフェンスの合間を通ったスルーパスを受け、左外を追い越す南野にグラウンダーのパスを出した。イランはDFホセイン・カナーニが、南野がボールを触る前に左足で突いてボールをかき出したが、その流れでカナーニと南野が接触して倒れる。
見た目にはダイブのような形になり、そこでイラン側はボール周辺にいたレザイアン、カナーニ、プーラリガンジ 、イブラヒミ、ハイサフィの5人の選手がレフェリーの方を向いてアピールしてボールから目を切ってしまう。しかし、その間に南野だけがボールを追いかけ左のコーナーフラッグ気味で拾った。
5人の中では右サイドバックのレザイアンが一番早く我に帰り南野を追いかけたが、南野は完全にフリーの状態でボールを拾うと、ゴールのニアサイドに走り込む大迫勇也に右足でクロスを送り込む。
本来なら大迫をチェックしていなければいけないセンターバックのプーラリガンジ までが、アピールのために大迫を視野に捉えていなかった。
これだけどフリーの状態でシュートを外す大迫ではない。アジアで一、二を争う実力者と評されるGKのベイランバンドも慌てて飛び出したために対応が中途半端になってしまい、まんまと大迫にヘッドで破られることとなった。
キャプテンのデジャガは「先制点を許してしまって、それが選手たちが動揺する要因になった。あれは我々のミスだった。あれによって簡単にゴールを奪われてしまった」と悔やむ。一瞬だけチームの集中が途切れたという指摘に対して「その通りだと思う」と振り返る。