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日本代表 6年前

アジアカップ準決勝、イランを自滅に追い込んだ日本代表。それを可能にした唯一無二の存在【西部の目】

日本代表は28日、AFCアジアカップ2019・準決勝でイラン代表と対戦。3-0で勝利し決勝へと駒を進めた。森保ジャパンは状況に合わせたプレーを披露し、イランが負ける形にはめ込んでいった。まだ課題は残るが、進歩を見せた部分もある。(取材・文:西部謙司【UAE】)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

イランを「負けさせる」

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大迫勇也【写真:田中伸弥】

 準決勝で今大会最強の相手と対戦した日本は、これまでで最高のプレーをして3-0と完勝してみせた。ただ、日本のアプローチはこれまでの試合と同じといっていい。

「イタリアは勝てないが、相手がイタリアに負けることはある」

 これはヨハン・クライフの言葉だが、今大会の日本も勝つというより相手に負けさせるチームであり、それはイラン戦でも変わらなかった。日本の3ゴールはいずれもイランの自滅であり、得点以外の試合展開も自滅を誘う形になっていた。

 ハイクロス、ロングスロー、フォアプレス、ミドルシュート。この4つが連続する展開になればイランのペースである。日本がそれを避けるには、ボールを保持して押し込んでしまったほうが良い。ただ、ポゼッション攻撃は今大会の日本の弱点であり、それ以前にボールを支配して押し込めるかどうかは微妙だった。

「なかなかボールを握るのは難しいと思っていました」と、森保一監督も語っている。「難しい」と考えていたボール支配が可能になったのは、大迫勇也の存在が大きかった。

 大迫が隙間受け、南野拓実は裏抜けと役割分担が明確になり、大迫への縦パスでイランの守備バランスを崩せていた。大迫がいなければ、イランを「負けさせる」展開にはできなかったと思う。

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