「一体感」の強調がチームの悪い雰囲気を感じさせる
「戦い方」は、はっきりしていたが、「一体感」のある強固なものではなかった。ニクラス・フュルクルク、イラス・ベブといった怪我人も多い中、新加入選手も交えてチームを成熟させるには、ウインターブレイクだけでは時間が足りない。
「僕は1点を追う形で入って(43分)、チームとしても、後半が始まる時も声を掛けていたんですけど、『前から行こう』って。相手はそれを上手く突いてきたというか。僕たちが前に行くから…行くにしても…なかなか全員一緒に行くというか、一体感を持って行けていなかったので、前と後ろとでちょっとタイミングがずれて、間を使われたというか…。そうですね、守備のところで何かしらもっと上手くやらないと行けなかったかなと思います」
相手は百戦錬磨のドルトムント。『チャンスがあればいけるな』、『前から行こう』…そんなハノーファーの選手たちの意欲は手玉に取られ、60分、63分、67分と、短い時間の間に次々とゴールを強奪していった。
「前と後ろとでちょっとタイミングがずれて」生まれたスペースを、ジェイドン・サンチョが重厚に、マルコ・ロイスが軽やかにドリブルで突破し、守備陣を引き裂いていく。
「どうしても点を取りに行かないといけないし、ボールを奪いに行かないといけないので、その裏を突かれると、こういう展開になってしまうのかなとは思いました。それを上手くやられた試合だったかなとは思います」
86分にマーヴィン・バカロルツがなんとか1点を返したが、終了間際にアクセル・ヴィツェルにミドルを叩き込まれ、終わってみれば5失点で大敗。「一体感」を強調する浅野の向こうに、決して良好とは言えないチームの雰囲気が見え隠れする。
「今日、僕も運動量としては少なかったと思いますし、もっともっと動かないといけないですし、そういったところを1人ひとり意識しないといけないですし。どうしても流れが悪くなってしまうと、みんなの顔の表情が変わってきたりとか、発する言葉が変わってきたりする。そうなる前に、チームとしてしっかり一体感を持って戦えるようになっていかないとな、と思います」