「前半と後半とがらりと変わっちゃったかな」
体の奥から、危機感が募る。
「まずはチームとして1点でも少なく守って1点でも多く取ることを、チーム全体として目指していかないと、このままだと本当にやばいので…」
1月26日に行われたブンデスリーガ第19節。ボルシア・ドルトムントに1-5のスコアで粉砕された後で、浅野拓磨は、所属するハノーファー96の行く末を案じた。
前節、対ヴェルダー・ブレーメン戦を0-1で落としたハノーファーは、これで後半戦が始まってから2連敗。順位は降格圏の17位に沈んでいる。冬の移籍市場ではブンデスリーガで実績のあるニコライ・ミュラー、ケヴィン・アポグマといった選手たちを期限付きで補強。捲土重来を期した。だが、どんなに手を打とうとも、結果に繋がらなければ、踏み留まって戦おうとする意思を持ちこたえるのは難しくなってくる。
「前半は」「そんなに悪くはなかった」
ハノーファーは、ドルトムントに対してしっかりとプレスを掛け、中盤でボールを奪い、カウンターに出ることができた。敵のボールロスト時の切り替えが異常に早かったため、再びすぐにボールを失ったが、「戦い方」の輪郭は前半戦に比べれば、はっきりしていた。
「点は取られていましたけど、前半は、戦い方として内容的にもそんなに悪くはなかったですし、見ていても『チャンスがあればいけるな』っていう感覚でした。けど、自分がピッチに入ると、見て感じていたのとはちょっと違った。前半と後半とがらりと変わっちゃったかなと思います。前から行く体力であったり、なかなか行けない選手も出てきたり、相手との間合いを詰められなかったり、っていうのが、ちょっとずつ後半になるにつれて出てきました」