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イラン、アジアカップ日本代表戦へ最終調整。“鳥かご”にも勝利へのこだわり漂う【前日練習レポート】

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

カルロス・ケイロス
イラン代表のカルロス・ケイロス監督【写真:舩木渉】

 大一番はもう目の前だ。イラン代表は27日、翌日のAFCアジアカップ2019準決勝の日本戦に向けて試合会場となるハッザ・ビン・ザイードスタジアムで公式練習を行った。

 26日の練習では報道陣に公開された冒頭の15分間でエースFWサルダル・アズムンら3選手がランニングをしていなかったというが、27日には23選手全員がピッチ上で体を動かした。はじめにカルロス・ケイロス監督が約3分ほど熱弁をふるい、その後はGKとフィールドプレーヤーに分かれてトレーニングに移った。

 フィールドプレーヤーたちは軽くジョギングした後、ストレッチをして10人ずつ2グループに分かれてパス回しに。そこでは“鳥かご”の鬼になるかならないかで頻繁に言い合いが起こったり、ボールを奪おうと足もとにスライディングを仕掛ける選手がいたり、選手たちの勝利へのこだわりが垣間見られた。

 もちろん本気のケンカではないが、イランの選手たちの闘争心はすさまじい。短い時間でもエネルギッシュな動きでチーム状態の良さをうかがわせた。ボール回しを終えると、2人1組になってのパス練習に移行。しばらくして15分間が過ぎ、非公開練習となった。

 練習前に行われた記者会見で、かつて名古屋グランパスも率いたケイロス監督は日本へのリスペクトを示しつつ、「我々のアイデンティティを失わないことが最も重要になる。自信や信頼、主張、武器を見せていく。日本のやり方に適応して長所をコントロールしていく」と、これまで通りのやり方を貫く姿勢を強調していた。

 準々決勝の中国戦で今大会2枚目のイエローカードを受け、左サイドで崩しの鍵を担っていたメフディ・タレミが日本戦で出場停止になる。そこには10番のカリム・アンサリファリドの起用が予想される。同選手は今大会、途中出場がメインだったが中国戦は86分からの出場で後半アディショナルタイムにゴールを奪って調子は良好。日本にとっても脅威になるはずだ。

 決勝進出をかけた日本対イランは、28日の現地時間18時(日本時間23時)キックオフ予定。5試合で12得点無失点と圧倒的な強さを見せてきたイランは、ケイロス体制の集大成を発揮すべく日本に牙をむく。

(取材・文:舩木渉【UAE】)

【了】

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