カーディフ・シティ加入が決まっていたエミリアーノ・サラ【写真:Getty Images】
ナントからカーディフ・シティへ移籍することが決定したFWエミリアーノ・サラが飛行機ごと消息不明となった一件をめぐり、両クラブおよびマネジメント会社の間で法廷闘争が繰り広げられることになるかもしれない。英紙『テレグラフ』が伝えている。
ナントで3年連続リーグ戦二桁得点を記録するなどの活躍を見せていた28歳のサラは、冬の移籍市場でプレミアリーグのカーディフへ完全移籍することが決定。だが同選手を乗せて英国へ飛び立った小型機は英仏海峡上で消息を絶った。
現地警察当局は不明機の捜索を打ち切ったが、捜索再開を強く求める声も各方面から上がっており、寄付金による独自捜索も行われようとしている。現時点ではサラとパイロットの安否が最大の重要事項ではあるが、一方で両クラブ間の支払いをめぐる問題も浮上している。
カーディフはサラの移籍金が「クラブレコード」であると発表していた。具体的な金額は明かされていないが、ボーナスを含めて2000万ポンド(約28億9000万円)と伝えられている。現時点では、カーディフはその移籍金のナントへの支払いを「凍結」しているという。
もしこのままサラが発見されない、あるいは死去が確認されたとすれば、保険によりカバーされる部分を除いても、カーディフは多額の損失を出すことになる。だが、ナントへの支払いを実行する前に、カーディフはサラのフライトが適切であったかどうかを法的手段を用いて明確にしたいと考えているようだ。
サラを乗せたフライトに関しては、パイロットが商業用航空免許を保持していなかったこと、冬季の夜間に小型機で飛行するのが適切ではなかった可能性があること、カーディフ側は商業路線の使用を勧めたが選手本人の希望により代理人の手配したフライトを利用したことなど様々な情報が伝えられている。カーディフとしては、責任を明確にした上であれば支払うべき金額をナントに支払う意志があるという。
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