イグアインとミランの関係悪化
1月23日、チェルシーはユベントスからFWゴンサロ・イグアインのレンタル移籍を発表した。クリスティアーノ・ロナウドが移籍してきた関係でミランにレンタルで“玉突き移籍”をしてきた彼は、たった5ヶ月余りで環境を変えることになってしまった。
ミランの公式戦で挙げたゴールは「8」。移籍当初は攻撃の要であるスソと良い連係を見せていたものの、ある時期からピタッと点が取れなくなった。一方でピッチでは気性の荒さも目立つようになる。昨年11月、古巣と因縁のユベントス戦では、退場処分を喰らいその後主審に激昂。2試合の出場停止処分を食らうなどという出来事もあった。
じきにフロントとの関係も悪化し、首脳陣で自らの復調を信じてもらえているのはジェンナーロ・ガットゥーゾ監督だけとも地元ではささやかれるようになった。そして1月、ナポリ時代の恩師マウリツィオ・サッリ監督のいるチェルシーへの移籍を希望し、本領を発揮できないままミランを離れることとなった。
もっとも「経済上の理由からイグアインの放出を願っていたのはミランの方ではなかったか」という見方が、地元記者の間では根強い。前述のように、ユーベからは買取りオプション付きのレンタルで移籍してきたが、そのレンタル料がなんと1800万ユーロ(約22億円)と法外な額だった。
税抜きで950万ユーロ(約2億円)とされる年俸と合わせ「緊縮財政中のミランがこれを払っていけるのか?」という懸念は当初からあった。そして12月には、レオナルドSDが「彼の完全移籍はCLに進出できるかどうかに左右される」と公言。イグアインはこれを信頼の欠如ととり、クラブとの関係を決定的に悪化させたという。