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日本代表 6年前

アジアカップ準決勝、柴崎岳の“リベンジ”。本田圭佑の金言から3年、見せたい進化の跡

text by 元川悦子 photo by Getty Images

柴崎にはロシアで見せたような働きを強く求めたい

 それを受け、本人もこのイラン戦での挫折、2016年12月のFIFAクラブワールドカップでの奮闘などを経て、スペイン挑戦に踏み切った。当初は現地適応に苦しみながらも、課題のフィジカル面やデュエルの部分に取り組み、イニエスタ的な素早い判断力や身のこなしを磨いていった。その成果が半年前のロシアで如実に表れた。日本がベスト16入りを果たせたのも、柴崎岳という新世代のボランチが世界トップと互角に渡り合える存在になったから。それは紛れもない事実だった。

 その後、ヘタフェでの半年間でコンスタントな試合出場機会が得られなかったこともあり、彼のパフォーマンスはロシアのレベルにはまだ達したとは言い切れない。それでも、ここまで4試合を消化して、イランと真っ向勝負できるだけのメンタル・フィジカルの状態は整ったはずだ。

「2015年の試合は相当前ですし、相手のチームも変わってますし、僕個人としても3~4年時間が経ってプレーヤーとしてもそこから成長してきていると思うんで、全く別物だと思ってます。フィジカル勝負の部分も相手の土俵でやってもしょうがないので、そうならないような展開に持ち込みたい」と本人も強い眼力で自信をのぞかせていた。

 今回は柴崎岳の真価が問われる大一番。本田が語っていたようなイニエスタ的要素も加味しつつ、背番号7が多彩な角度からゲームをコントロールしてくれれば、日本勝利の確率も大きく上がるだろう。

 実際、彼と遠藤航の両ボランチの絶妙の連係とバランスを取り続けることが、日本の攻守両面を輝かせる絶対条件だ。それが少しでも崩れれば、イランのパワーとスピードに粉砕される可能性も否定できない。大迫という絶対的エースの復帰はもちろん大きなプラス要素だが、それを生かす背番号7の一挙手一投足はやはり見逃せない。彼にはロシアで披露したような圧巻のパフォーマンスを今こそ強く求めたいものだ。

(取材・文:元川悦子【UAE】)

【了】

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