日本代表は26日、AFCアジアカップ2019の準決勝・イラン戦に向けて試合会場のあるアル・アインで調整を行った。

　しかし、グラウンドに重要人物の姿がなかった。なんと前日まで元気に練習していた槙野智章が、午前中に体調不良を訴えて26日の練習を欠席したのである。日本サッカー協会によれば、午前中にドバイから移動してきたチームとは別行動で、少し落ち着いてから午後にアル・アイン入り。練習場には姿を見せなかった。

　今後は様子を見ながら病院を受診するかも含めて判断する見通しで、28日のイラン戦に影響が出るかは現時点で不明。早期回復が見込めれば、もちろん決勝進出をかけた大一番に間に合う可能性も残されている。

　25日は前日のアジアカップ準々決勝ベトナム戦でベンチスタートの面々のみで練習が行われ、槙野はいつもと変わらない明るさでチームを盛り上げていた。

　練習後にも報道陣の取材に応じ「こういう長い合宿だと、試合に出ている選手、ちょっとしか出ていない選手、出られていない選手という3種類に分かれる中で、どうしても緊張感だったり感情のところでちょっとムラが出てしまう。1つの同じ方向を見て戦わなければいけない、そういう雰囲気作りはロシアワールドカップで学んだことだし、それは自分が伝えていかなければいけないことの1つだと思っています」と、自らも含めた経験あるベテランが率先してチームを引っ張る意識の重要性を語っていた。

　出場時間が短くとも、まさに日ごろからそれを実践していたのが槙野という男。26日の練習はこれまで以上にピリッとした雰囲気が漂っていたが、イランとの重要な一戦を控えているだけでなく、燦然と輝く太陽のような盛り上げ役が不在だったことも影響していたはず。GK東口順昭も「そうですね、それはあると思います」と報道陣の見解に同意した。

　チームに欠かせないリーダーの1人がイラン戦に間に合わなければ、守備陣の戦力的な不安要素となるだけでなく、ベンチの牽引役も不在になってしまう。27日には会場となるハッザ・ビン・ザーイドスタジアムで試合前日の公式練習が行われる。そこに槙野が姿を見せるのかに注目が集まる。

（取材・文：舩木渉【UAE】）

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