まずは結果を
今回は1トップの候補にけが人が多く、森保監督も選考の時点で北川を1トップで起用する可能性は想定していたと思われる。そして北川もそうした起用を覚悟していた。もともとトップ下にも南野がいることから、1トップでもアピールできれば出場機会が増えやすくなる。北川としてもそこはチャンスだ。
メンバー外の選手にもトップ下の候補は多い。北川も今後よほどスペシャルなものを出していかなければ定着は難しいだろう。しかし、複数のポジションをこなせれば、それだけ日本代表での有用性は高まり、定着に繋げやすくなるものだ。その中でスペシャリティをアピールして行くことが大事だが、まずは与えられた役割で悪戦苦闘しながらも結果に結びつけていった先に発見や成長がある。
もちろんチームのためにも、森保監督や周囲からの北川をより生かすためのアプローチも重要だが、「うまく行かない時もあるので、そこは自分自身改善する必要があると思うし、今後の自分に必要になってくると思う」と北川は自分なりに現状を認識している。
ここまで5試合無得点だが、ここからの1点は日本代表をアジアカップの決勝、優勝に導く1点となる。実力があっても、よほどの巡り合わせがない限り巡ってこないチャンスだ。
イラン戦、勝ち上がれば決勝という舞台でここまでの経験も糧にどういう働きをするのか期待して見届けたい。
(取材・文:河治良幸【UAE】)
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