ベトナムのフィニッシュに助けられる
試合の流れからいって、日本の勝利は順当といえる。今回のチームの弱点がポゼッション攻撃なので、得点は堂安律のPKのみにとどまったが、日本が勝ちに近いところにいたのは間違いない。攻めあぐみながら、相手のカウンターにも肝を冷やしつつ勝ち抜いていった、ジーコ監督下の2004年大会とよく似ている。
ベトナム戦では、グエン・コン・フォンのドリブルから2、3回の決定機を作られた。ここまでの4試合で高い評価を受けていた冨安健洋が翻弄され、吉田麻也も釣り出された前半27分の場面ではシュートミスで事なきを得た。フリーで待っていたグエン・クァン・ハイにパスされていたら万事休すだったろう。38分には権田修一と吉田の連係が不安定で、吉田のコントロールが大きくなりすぎた後、立て続けにシュートされた。自滅寸前だった。
後半はボールを支配したこともあって、ベトナムの攻撃を散発に終わらせたが、GKとDFの連係や呼吸に不安があるのも初戦から変わっていない。
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