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日本代表 6年前

サウジアラビア戦で得た“気づき”。不発だった効果的なカウンター、必要な「精度」の中身とは?

text by 河治良幸 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

柴崎岳が語った課題

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柴崎岳【写真:Getty Images】

 もう1つ柴崎があげるのは早い時間にリードした状況でも、効果的なカウンターなどで追加点をあげられなかったことだ。「1つのオプションとして今後の日本代表の武器としてショートカウンターだけではなく、ああいうちょっと距離のあるカウンターの精度もあげて行かないといけない」と柴崎。精度というのはパスやボールコントロールの部分もあるが、状況に応じたタイミングや方向を味方同士であまり共有できていない問題が大きそうだ。

 日本は深い位置でのインターセプトやセカンドボールを拾い、トップ下の南野拓実を主な起点としたロングカウンターで追加点を奪おうとした。しかし、そこからなかなか縦のボールが繋がらず、ボールが流れてしまうか、逆に時間をかけすぎたためにサウジアラビアのディフェンスに戻って対応されてしまう。「なるべく僕ら(ボランチ)が受けて、1テンポ加えてから彼らを生かすことはできたかなと思っています」と柴崎は振り返る。

 1つ象徴的だったシーンが前半39分に武藤嘉紀がイエローをもらってしまったシーンにつながるプレーだ。右センターバックのモハメド・アル・ファティルに対して南野拓実がチェイシングに行き、ターンから前に運ばれてロングボールを出されるが、ファハド・アル・ムワラドをめがけたボールは吉田麻也がしっかりと前に跳ね返す。

 そこから左のライン側で長友佑都が原口元気に縦パスを付けた。ここから原口はインサイドの南野に預ける。南野が右足でトラップするとアンカーのアブドゥラー・オタイフがインサイドからプレッシャーをかけてきた。南野はオタイフのプレスにかからないように左足でグラウンダーのパスを武藤に送った。しかし、カバーリングからいち早くクリアしようとしたアリ・ハディ・アルブライヒを武藤がスパイクしてしまいファウルとなった。

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