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アジア 6年前

アジアカップ準々決勝の相手、ベトナムはどんなチームなのか? 熟知する現地記者が徹底分析

text by 宇佐美淳 photo by Getty Images

今大会、準々決勝までの道のりは?

ベトナム代表
ベスト16ではヨルダン代表にPK勝ち。ベスト8では日本と対戦することになっている【写真:Getty Images】

 注目選手は、東南アジア屈指の司令塔であるグエン・クアン・ハイ。多彩なアイデアを持つレフティーで、彼がボールを持ったところから一気に攻撃のスイッチが入る。フリーキックの精度も非常に高く、ここぞという場面で何度もゴールを決めてきた頼れるエースは、まだ21歳という若さだ。

 ベトナムは今大会グループリーグ初戦で強豪イラク相手に堂々たる試合運びを見せて、一時は2点を先行するも、終盤に逆転されて黒星スタート。続く優勝候補イランとの一戦は、チームレベルの差もあったが、個々のフィジカルで圧倒されて0-2の完敗。

 後がないベトナムは3戦目イエメン戦で攻撃陣が奮起、グエン・クアン・ハイの直接フリーキックを含む2-0で勝利してD組3位につけると、最後はフェアプレーポイント差で、各組3位のうち上位4チームに滑り込み、辛くも決勝トーナメントに駒を進めた。

 決勝トーナメント1回戦では、前回王者オーストラリアを下してA組を首位突破したヨルダンに延長・PK戦(1-1(PK4-2))の末に勝利。この試合では、ベトナム本来の持ち味であるテクニックと連動性のあるパスワークがいかんなく発揮され、後半立ち上がりにFWグエン・コン・フオン(元水戸)の同点弾が決まって以降は完全にベトナムが主導権を握った。

 90分で決着をつけられなかったのは課題だが、若さ溢れるベトナムは、その後の延長戦でも運動量が落ちず、延長戦終了のホイッスルが鳴った頃には、ヨルダンの選手たちの方が疲れ切った様子で一様にうつむいていた。

 思い返せば、快進撃を見せた昨年のAFC U-23選手権でも、ベトナムは決勝トーナメント以降の全試合が延長戦だった。今のベトナム代表からは、たとえ劣勢でも接戦に持ち込めば、必ず勝機が生まれるという強い執念が感じられる。

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