10年ぶり東南アジア王者に。若きベトナム代表
UAEで開催中のAFCアジアカップ2019は決勝トーナメント1回戦が終了し、ベスト8が出揃った。難敵サウジアラビアを相手にセットプレーで挙げた虎の子の1点を守り切った森保ジャパンが準々決勝で相まみえるのは、東南アジア王者ベトナム。近年、アンダー世代の国際大会で目覚ましい活躍を見せているアジアの新興勢力だ。
10年以上前から若手育成に積極投資してきたベトナムは、2017年にU-20ワールドカップ初出場を果たすと、翌2018年にはAFC U-23選手権で準優勝の快挙を達成。同年夏に行われたアジア大会でもオーバーエイジで補強したU-23代表がベスト4に入ってメダル獲得まであと一歩に迫った。因みにアジア大会では、森保監督率いるU-21日本代表とグループリーグで対戦しており、ベトナムが1-0で勝っている。
国際大会で次々と結果を残して自信を強めたベトナムは、2018年末のAFFスズキカップ(東南アジアサッカー選手権)で10年ぶりに東南アジア王者の座に返り咲き、勢いそのままにAFCアジアカップの舞台UAEに乗り込んだ。
アジアカップに出場しているベトナム代表は、前述したアンダー世代の国際大会で好成績を収めたメンバーが主力となっており、平均年齢は全出場チーム中で最も若い23歳。チームを率いるのは韓国人のパク・ハンソ監督(U-23代表兼任)。
システムは可変的な3バックを採用しており、格上相手に攻め込まれた場合は5バックでブロックを敷く。基本戦術は守ってカウンターだが、ロングボール主体というよりは、ハイプレス&ショートカウンターがコンセプト。勝負所では守備ラインを上げて、果敢に攻めることもあり、今大会では中盤の選手が積極的にミドルシュートを打つシーンが目立つ。