投入されたのは2点ビハインドの82分
可能性は、閉ざされつつあるのだろうか。
1月20日、春の陽射しと凍てつく寒さに覆われたマックス・モーロック・シュタディオン――。
ブンデスリーガ第18節、ヘルタ・ベルリンをホームに迎え撃った1.FCニュルンベルクは、[4-1-4-1]の布陣でブロックを構築。敵の3バックを中心にボールを回されながら、腰を据えてじっくりと構え、カウンターに活路を見出そうとした。しかし、両チームの間にそもそもの戦力差があることは、どうしても否めない。
15分、いとも簡単にヴェダド・イビセヴィッチに縦パスを通されると、そのまま背番号19にダヴィ・ゼルケとのワンツーでするすると中央突破を許し、先制弾を献上する。
昇格組で最下位のニュルンベルクが、ヨーロッパリーグ出場圏を伺うヘルタからボールを奪ったとしても、すぐに奪い返されてしまう。カウンターに出ることもままならない。前半が終わりに近づいた42分に、セットプレーからの一連の流れで1点を返すのが精一杯だった。
50分、70分と、悠々とパスを繋がれた後で、オンドレイ・ドゥダに2ゴールを叩き込まれる。鋭いドリブルが売りのヴィルギル・ミシジャンの仕掛けも、きっちり2枚で対応されるなど、手の内は研究され尽くされているようだった。
劣勢の最中、久保裕也が投入されたのは、82分のこと。だが、2点のリードが開き、敗色が濃厚となった後では、仕事をすることは難しかっただろう。味方との呼吸もなかなか合わず、日本人MFが一矢報いることはできなかった。