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日本代表 6年前

「自分より全然いい」吉田麻也も感嘆する冨安健洋の才覚。20歳DFがアジアカップで示す成長速度

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

当初の目論見から大きく飛躍。今や守備の柱に

 2018年ロシアワールドカップでは182㎝の昌子源がレギュラーを張り、勇敢な戦いを見せたが、高さの部分ではどうしても足りないところがあった。それは槙野智章や三浦弦太にしても同じ。そこでロシア組の植田直通に期待が寄せられたが、足元の技術やボールのつなぎに難があると判断され、最近の代表活動には呼ばれていなかった。

 こうした中、森保監督は技術と身体能力、戦術眼をバランスよく備えた冨安に目を付け、今大会スタート時から辛抱強く使い続けた。9日の初戦・トルクメニスタン戦は手薄になったボランチ起用で、不慣れな本人もバタバタ感が否めなかったが、13日の第2戦・オマーン戦では本職のセンターバックに入って鋭さを取り戻す。

 吉田とのコンビも時間を追うごとに研ぎ澄まされていき、このレベルなら十分やれるところを示した。そして17日のウズベキスタン戦では終盤のクローザーとして登場。完全にA代表での試合感覚を得た状態でこの大一番を迎えた。

 そこでボール支配率27.3%という前代未聞の劣勢を強いられ、地獄を味わったチームを白星に導く大仕事をやってのけてしまうのだから、著しい成長速度には驚かされる。

 指揮官の中では当初「2020年東京五輪世代の軸として大舞台の経験を積んでほしい」という親心があったのかもしれないが、4試合を消化した今、冨安は最終ラインの柱へと飛躍した。ようやく吉田の後継者候補にメドがついたと言っても過言ではないだろう。

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