瞬時の的確な判断で決めた一撃
「これまでの3試合も非常に難しい試合だったが、次はさらに厳しく難しい試合になると思います」と日本代表の森保一監督は強調していたが、21日の2019年アジアカップのラウンド16・サウジアラビア戦は想定をはるかに超える難易度の高いゲームになった。
日本は立ち上がりから一方的にボールを支配され、開始10分間のポゼッション率は20%以下。ボールを奪う位置が低く、武藤嘉紀や南野拓実、堂安律らアタッカー陣がカウンターを狙おうとしてもシュートまで持ち込めない。
その結果、再び自陣に引いて守らざるを得なくなるという苦境の連続。過去のアジアカップを紐解くと、日本は決勝トーナメント1回戦の早い段階で失点するという悪しきジンクスは続いていて、今回も同じミスを犯しそうなムードが漂った。
その流れを断ち切ったのが、前半20分のリスタートからの得点だった。柴崎岳の左CKのチャンス。189㎝の吉田麻也がニアでマークを引き付けた瞬間、ファーに動いた188㎝の冨安健洋が手薄になったマークに頭1つ競り勝ち、値千金のゴールをゲット。サウジを突き放すことに成功したのだ。
「相手は今までゾーン+マンツーでやっていたのをマンツーに変えてきて、そこのギャップというのは生まれていたし、マンツーにしてはちょっとマークが緩いなと思っていた。(岳さんが)練習から本当にいいボールを蹴ってくれていたので、しっかりそこに合わせるだけでした」と背番号16は瞬時の的確な判断で決めた一撃であることを明かした。