サウジアラビアは十分に勝てる相手
森保監督の仕事ぶりが非常によく反映された試合であり、大会の後半に負傷者や出場停止の選手が出たとしても十分な選択肢が用意されていることが示された。限られた一部の選手たちの活躍に頼るのではなく、チーム全体に指揮官の望むプレースタイルを浸透させることにも成功している。
ヘディング弾で2-1の逆転勝利を助けた武藤嘉紀も試合後にその点に触れ、控えの選手たちも声がかかれば貢献できることを証明できたと主張していた。
「誰が出ても戦えるってことを見せられたのは非常に大きかった」とニューカッスル所属のFWは語る。
「結果的に僕らが勝ったというのが事実ですし、サブ組でも1位通過をかけての戦いで勝てたというのは非常に大きいんじゃないかと思います」
もちろん、5度目の大陸制覇に本格的に挑戦するためには改善が必要ではあるだろう。だが、サウジアラビアとの試合が日本にとってこれまでで最も厳しい試練になることは確かだとしても、カタールに0-2で敗れた17日の試合を見る限りでは、フアン・アントニオ・ピッツィ監督のチームも無敵とは程遠い。
ディフェンスが崩れることなく、サウジのFW陣が裏へ抜け出すのを阻むことさえできれば、ウズベキスタン戦の休養で完全にリフレッシュできた日本の攻撃陣は相手に十分な脅威を与えることができるはずだ。あとは訪れたチャンスを決めることができるかどうかが鍵となる。
全体的には明るい兆しが感じられる。チーム内の自信は高まっており、今後に向けて大いに期待することができそうだ。
(取材・文:ショーン・キャロル【UAE】)
【了】